こんにちは!
♪信じられぬと~嘆くよりも~人を~信じて~傷つくほうがいい~♪、小学6年の合唱祭でこの名曲を歌った昭和男キビタンです。
この夏、人生初の「寸借詐欺」に遭遇しました。
そして、先日、なんとまたも同じ男が!
啓発の意味も込めて、報告させていただきます。
まんまとやられました
寸借詐欺とは?
「寸借詐欺」という言葉は、私はこのたび初めて知りました。
Wikipediaにはこうあります。
Wikipediaより引用
寸借詐欺(すんしゃくさぎ)とは、代表的な詐欺のひとつで、人の善意につけこみ小額の現金を借りるふりをして、騙し取る行為を指す。
具体的には、「財布を落として食べるにも困っている」とか、「帰宅する交通費がないので貸して欲しい」というようなケースが多いようです。
要求する額が少額なため、つい出してしまいます。
目の前の困っているひとを助けたいという善意につけ込むのも、許しがたい点です。
一度目のケース
その男が私が自営する店にふらりと入って来たのは、夏の終わりの暑い日でした。
歳の頃は60代。日焼けした顔に無精ひげ、汗びっしょりで首にタオル、古びたジャージを履き、息も絶え絶えといったようすで、こう話しはじめました。
実は数日前に財布を落としてしまって、ずっと飲まず食わずなんです(ハァ、ハァ)1週間後にかならずお返ししますので、どうか、どうか、500円ほどお貸しいただけないでしょうか(ハァ、ハァ)
大丈夫ですか。大変ですね。まずは警察に行かれたほうがいいんじゃないですか?
行きました、警察も区役所も行きました。しかし、そういうときに助けてもらえる制度は無いと言われました
そうですか。だったら、近くのお寺とかは?
お寺も行きました。そこの〇〇寺さんにも行きました。しかし、取り合ってもらえませんでした。もう30件、40件と回っておりますが、どこへ行っても相手にしていただけないんです(ハァ、ハァ)
困りましたねぇ
ここに私の住基カードがあります。これをお預けしますので、どうか、500円でいいので・・・(ハァ、ハァ)
書きながらまた腹が立ってきましたが、両膝をついて汗をボトボト落としながら、ふらふらといまにも倒れそうです。
住基カードをちらっと見ると、写真もその男っぽく見えました。
お客さまもおられた手前、早く帰ってもらいたいのもあって、
私は、つい千円出してしまいました。
カードも預けなくていいですから、とりあえず、これお渡しします
すると男は、額を玄関マットにこすりつけ、
こ、これは、ありがとうございますー!
と、涙さえ浮かべてひれ伏し、出て行ったのです。
帰っていく足取りが、やけに軽快だったのが気にかかりましたが(苦笑)
あとから思えば、です。
30~40件もまわってまったく相手にしてもらえない、というのも不自然な話です。
また、調べてみると、警察や役所にはそういう人を助ける制度があるそうです。
「寸借詐欺」という言葉を、そのとき初めて知りました。
それにしても・・・
ここが怖いというか、ある意味“プロ”なんだなと思うのですが、
その後も、しばらく私は、「あの人は詐欺ではなくて、本当に困っていたんじゃないか」と思っていました。
「もしかすると、1週間後に返しに来るのでは」と。
涙まで浮かべて、あれが演技だとしたら、そうとうな演技派じゃないか。
とても“いい人”そうだったし・・・
これが、私の甘いところです。
ほんとうの詐欺師は、この人は詐欺師ではないだろうと思わせるんですね。
それが、はっきり判明したのが、2か月後、その男が再びやって来たときでした。
同じ男がやって来た
店の片づけをしていた夕暮れ時、その男が再びやって来ました。
あのぉ、私を覚えておられるでしょうか?
忘れるかいな!いろんな意味で会いたかったわ!
そのせつは大変ありがとうございました。実は、今度は私の知人のお母さんが重い病気で、私も2万6千円ほど援助させてもらったのですが、次の給料日まであと4日あり、それまでどうしてもお金が必要な状況です。どうか、どうか、500円ほど・・・
またしても、膝まづいて神妙な面持ちです。
しかし、夏のような切羽詰まった演技ではありませんでした(笑)
そもそも2万6千援助したんなら、千円返しなさいよ。
と言いたいところでしたが、
もう、前回で終わりにしてもらっていいですか
と告げると、「そうですか」と何かを悟ったかのように立ち上がり、前回同様、軽快な足取りで出て行きました。
残念だなー、やっぱり詐欺師だったか、ちょっとだけ信じてたのにな。
これで一度目も嘘だったことが確定。
この男が「寸借詐欺師」であることも確定です。
立件が難しいらしい
実は、一度目のしばらくあとに、私の妻の職場にもまったく同じ内容の話をする男が来たそうです。
「財布を落としてしまって、数日間飲まず食わずで・・・500円云々」と。
60代よりは若く見えたそうですが、別人だとすると、チームになっているんでしょうか?
いずれにせよ、同じ手口でうろうろしているわけです。
この寸借詐欺、仮にすぐに警察に通報しても、逮捕されるかは微妙のようです。
というのも、「本当に返すつもりだった」と言えば、それまでなので。
強盗して奪っているわけではなく、金銭の貸し借りだとすれば、犯罪とは言いにくいのでしょうね。
とはいえ、「寸借詐欺」そのものは詐欺罪に該当するそうですから、グレーゾーンを狙った巧みな詐欺と言えるかもしれません。
一人暮らしの高齢者などは、親身に話を聞いて、けっこうな額を出してしまうこともあるのではないかと、推測します。
とにかく、こういう詐欺もあることを頭に入れて、騙されないように自衛することが肝要ですね。
まとめ
今回私が体験して学んだ「寸借詐欺の特徴」を、最後にまとめておきます。
寸借詐欺の特徴
- 財布を落とした、交通費が無い、など切羽詰まった悲壮な状況を設定する
- 500円のような少額を要求する
- 話がやけに具体的である(数字や役所の窓口の名前などをすらすら言う)
- 詐欺師とは思わせない話術と演技力で信じ込ませる
- 平身低頭の腰の低さ
みなさん、気をつけましょうね!