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『シン・スタンダード』は刺激的かつ健康に良い生姜のような本!日本人が疲れてるワケが見えてくる

02/29/2024

『シン・スタンダード』の本

いま、多くの人が、「日本、ヤバくね?」と感じているのではないだろうか。

政治、メディア、経済、医療、教育、福祉・・・

さまざまなところに憤りや不安を感じている人は、多いと思う。

もちろん、そういう私もその一人だ。

そんななか、とても興味深い本に出合った。

『シン・スタンダード』(谷口たかひさ著・サンマーク出版)

おもしろい、これはおもしろい。

本を一気に読み終えたのは久々だ。

ジャンルとしては、「日本論・日本人論」ということになるだろう。

世界中を歩いた著者が、そこで見聞きしたことをもとに、日本の常識に鋭く切り込む。

目からウロコ、心はほっこり。

キビタン
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谷口たかひさ氏について

著者の谷口たかひさ氏は、1988年生まれとあるから今年(2024年)で36歳。

10代で起業したり、イギリスに留学したり、ドイツで起業したり、世界80ヶ国を渡り歩いたり、現在は環境問題や政治問題などで発信したり、講演したり、さらにはInstagramで11.8万人のフォロワーを持つなど、なんというか超絶マルチな人だ。

私もInstagramで知って、ハッとする切り口の文章にいつも刺激をもらっている。

つい先日、はじめてインスタライブも見たが、優しそうな明るい青年といった印象。

あと、けっこうな男前。

谷口たかひささんのInstagram画像
画像出典:インスタグラム@takahisa_taniguchi

「価値観の選択肢」を増やす

「日本の常識は世界の非常識」と昔からよく言われるが、本書では48の実例を挙げて論じている。

堅苦しさはまったく無く、文章もすっきりとして読みやすい。

『シン・スタンダード』は文章がすっきり読みやすい
文章はすっきりとして読みやすい

著者は、「イントロダクション」のなかで、<「世界の常識」と「日本の常識」を比較した>理由についてこう述べている。

たしかに、複数の選択肢を「比較」できることは、とてもたいせつなことだ。

「自由」にも「幸福」にもつながってくる。

日本人が“疲れて”しまっている理由のひとつは、狭い視野のなかで生きていることかもしれない。

日本人は時間に厳しくない!?

いろいろ心に残る言葉があったのだが、いちばん印象深かったのは、著者が<日本で働いているヨーロッパ出身の友達>に言われたという言葉だった。

「日本人は時間に厳しいと言うけれど、あれウソだよね。始まりの時間は守るけど、終わりの時間は守らないじゃん」(本書63頁より)

たしかに!

ヨーロッパには「残業」という言葉がないと聞くが、ダラダラと就業時間を超えて働く(働かせる)あり方は、時間にルーズと言われても仕方あるまい。

「残業」も日本独特かもしれないが、「単身赴任」はどうなんだろう?

子どもが生まれたばかりだろうが、たくさんいようが、父親が単身赴任させられるケースは日本では珍しくない。

子どもにとっても、母親にとっても、父親にとっても、だれにとっても何一つ良いことはないと思うのだが。

私がスイスの電車で見た光景

子どもが公共の場で泣いて愚図る話も出てきたが、読みながら、かつてスイスの登山鉄道に乗ったときのことを思い出した。

美しい緑の山を、ゆっくりと列車が上っていく。

車内は、ほぼ満席。

うしろの方の席で、4~5歳くらいの男の子が駄々をこねていた。

と突然、「パン、パン、パン」と、子どものおしりをスパンキングする音が響いたのだ。

私は大きな音に驚いたのだが、さらに驚いたのは周囲の反応だ。

だれひとり驚くふうでもなく、気にするふうでもなく、みな静かに平然としている。

まるで、「子どもをああやって厳しくしつけるのは当たり前」と言わんばかりに。

いまの日本で同じことをすると、動画を撮られたり、SNSで拡散されたり、「視聴者スクープ」でニュースにまで出されたりするかもしれない。

文化の違いを感じた瞬間だった。

キビタン

中高生や子育て世代におすすめ

話を戻す。

本書を読みながら、自分自身も多くの「常識」に囚われていることに気づかされた。

そして、そこに気づくだけで気持ちが少しラクになるのを感じた。

刺激的でありながら、心身に良い、まるで“生姜”のような本、と私が思ったのはそういう意味だ。

本書は、何が正しいということではなく、こういうあり方もあるよ、こんな幸せもあるよ、と「選択肢」を見せてくれる。

冒頭に書いたように、いまの日本人の危機感・閉塞感は、けっこう来るところまで来ている気がする。

それを考えると暗い気持ちになってしまいがちだ。

しかし、著者の谷口さんは、だからこそ自分に何ができるかを考え、むしろ「ワクワク」しているという。

中高生や子育て世代の方に、特におすすめしたい一冊だ。

まとめ

『シン・スタンダード』感想まとめ

  • 著者が世界中を渡り歩いた経験から世界と日本の常識を比較する
  • 「価値観の選択肢」を増やす大切さ
  • 読みやすいつくりで一気に読める
  • 刺激的かつ健康的
  • 若い世代に特におすすめ

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