こんにちは、吉田類さん出演のNHK『にっぽん百低山』が大好きな昭和男キビタンです。
番組のナレーションで流れる「山高きが故に尊からず」は、至極名言だと思います。
今回キビタンがご紹介する広島低山は、広島駅から程近い牛田山。
標高こそ261mと低いものの、グルッとまわる縦走コースは、なかなか山の魅力にあふれていますぞ!
では、さっそくご案内。
目次
牛田山の魅力と注意点
これまで数えきれないくらい牛田山を歩いてきた私キビタンが思う、牛田山の魅力は次のとおり。
キビタン的「牛田山の魅力」
- 初心者でも無理なく登れ、家族連れで楽しめる
- 道はよく整備されており、分岐の案内板もわかりやすい
- Uの字にまわるコースで各方面の眺望が楽しめる
- 木々や野鳥など自然豊かで、街中なのに山深さも味わえる
- ルートがいくつもあり、疲れたらどこにでも下山できる
このように魅力あふれる牛田山は、週末だけでなく、平日でも何組もの方が山歩きを楽しんでおられます。
ただし、低山とはいえ山であることに変わりはないので、あまり安易に考えすぎてはいけません。
区役所の案内でも、今回のコースは「健脚・縦走コース」となっています。
以前私も、ルートをよく知らずに何の気なしに登ってきて、バテバテになっている男性に出会ったことがありました。
イノシシやハチなどの生物にも、注意が必要です。
牛田山の注意点
- 日頃運動不足の人はなめてはダメ、無理しない
- イノシシやハチなどの生物に注意
- 途中にトイレは無い
こういった注意点にもふれながら、ご案内します
牛田山一周コース
今回歩いたのは、
東照宮口~二葉山~尾長山~牛田山山頂~見立山~神田山~牛田旭口
のコンプリートコースです。
休憩も入れて、約3時間半の行程でした。
区役所から出ているマップをお借りして、図示しておきます。(黄色い線が今回のコースです)
このマップで見るとUの字になっていることがよくわかりますね
牛田山一周コースは、牛田山山頂を境に、
- 牛田山山頂~二葉山(または尾長山)/わりとなだらか
- 牛田山山頂~見立山/少々起伏あり
の2つに分けられます。
二葉山(または尾長山)、見立山のどちら側から登ってもいいのですが、登山口までの移動手段(車、電車、バス等)にもよりますね。
今回、私は東照宮口から入る二葉山から登りました。
東照宮口から牛田山山頂まで
まずは、前半、東照宮口から牛田山山頂まで。
東照宮~二葉山
広島駅から北に見える仏舎利塔のある山が二葉山で、そのふもとを目指して歩くこと約10分で東照宮に着きます。
東照宮に向かう途中から見た二葉山。
東照宮は、慶安元年(1648年)に造営された歴史ある神社です。
(詳しくはこちらをご覧ください→「広島東照宮」ホームページ)
10:07 山行開始。
正面の石段が印象的な東照宮入口。
石段を登りきると、
- 正面に拝殿があり(写真左上)
- 裏にまわると「お参りと健康の参道」という案内板と鳥居があるので、その階段を上ります(右上)
- 道路を渡って金光稲荷神社に入り(左下)
- その裏からいよいよ433段の石段に入って行きます(右下)
急な石段を登るため、一気に息が上がります。
途中には、大小さまざまな祠(ほこら)が。
やがて稜線上に出て右に進むと、
10:30 仏舎利塔のある二葉山山頂に到着。(東照宮口から23分)
山頂からは広島の市街地がよく見渡せます(写真上)。
二葉山のシンボル・仏舎利塔(左下)、山頂から尾長山を望む(右下)。
二葉山~尾長山
山頂からアスファルトの道を下っていくと、左に下る山道があるので、そちらに入る。
住宅地への階段を降りて直進すると(写真左上)、
天神峠に出るので、正面の急な坂を上って行く。(右上、下)
正面が尾長山。
集合住宅の直下から脇に入る道が登山道。
尾長山への途中からも素晴らしい眺望を楽しめる。左に似島(安芸小富士)、右に宮島。
尾長山の山頂直下にはこのようなガレ場があるので、注意して登ろう。
ケガは一瞬ですから慎重に!
10:58 尾長山山頂。(二葉山山頂から約30分)
二葉山越しに広島市街地が一望できます(写真上)。
ごつごつした岩がある山頂(下)。
水分補給も忘れずに!
尾長山~牛田山
ここからは稜線上の気持ちの良い道が続き、ハイキング気分が満喫できます。
分岐ごとにこのような立派な案内板があるので、迷う危険も少ないです。
樹木にもこのような案内がついており、勉強になります。
★イノシシとハチには要注意★
ただし、このように至る所にイノシシが掘り返した痕跡があるので、注意が必要です。
私はずっと「イノシシは夜行性」とばかり思っていましたが、調べてみると、実は基本的に昼行性だそうです。
どうりで、小屋浦の山で真っ昼間に遭遇したわけです。
(詳細はこちらの記事→「2023年10月・天狗岩~せんこう頭部(ずぶう)を歩く/小屋浦駅~坂駅」)
牛田山は人気があり、平日でも何組もの登山者が歩いているので、昼間にイノシシに遭遇する危険は他の山よりは少ないと思われます。
ですが、用心するに越したことはありません。
鈴やラジオなど音の出るものを身につけて歩くことをおすすめします。
また、小さなお子様連れの場合は、お子様だけがどんどん先に行ってしまうことは避けましょう。
また、イノシシ以上に危険なのがハチではないかと思います。
今回も歩いている途中、何度もスズメバチを見ました。
ハチの対策として一番重要なのは、ハチが近づいても騒がずにそっと離れることです。
子どもさんにありがちですが、怖いからとキャーキャー騒ぐと、ハチが興奮して逆効果になります。
とにかく、落ち着いて静かに離れましょう。
私はムツゴロウさんのように「はいはい、ごめんね~、大丈夫だよ~」と言いながら通過します
こう書くと、やっぱり怖いから登るのはやめておこう、となるかもしれませんが、牛田山に限らず、どこの山でも共通する注意事項です。
こういった危険もわきまえた上で、登山を楽しみたいですね。
気を取り直して、進みましょう。
途中の休憩所から東側(府中町方面)を望む。
このようにいろいろな方向の景色を楽しめるのが、牛田山の大きな魅力です。
休憩所もボランティアのみなさんのご尽力で、きれいに整備されています
左側からの巻き道に入ると、山頂が近づいてきた証拠。
頂上直下の急登。あと少しだ、がんばろう!
道の真ん中の切り株。つまづかないようにテープが巻いてあるのがやさしい。若葉に生命を感じます。
おっ、見えてきたぞ!
12:18 牛田山山頂に到着~!(尾長山山頂から1時間20分)
正面に二葉山、左に尾長山、遠く江田島、似島、宮島が見渡せます。
今回写真を撮り忘れてしまったのですが、反対側の祇園方面もよく見渡せますよ!
ここでお弁当を食べて、ゆっくり休憩。
牛田山山頂から牛田旭口まで
さて、後半は若干起伏のあるコースですから、足をくじいたりしないよう注意して行きましょう。
牛田山山頂~見立山
しばらく尾根沿いの気持ちの良い道が続き、「戸坂口」への分岐が現れます。「神田山荘方面」に進みます。
このような階段状の下りが出てくるので、ちょっと気を引き締めて。
神田山への登り。
13:04 神田山山頂。
神田山から正面に三滝山(宗箇山)を望む。
「牛田旭口」を目指して進んで行くと、のり面の工事現場に出る。
以前はここから「牛田新口(神田山荘方面)」に下れたが、いまは通行止めになっている。
広島原爆養護ホームを右手に見ながら進んで行くと、やがて「牛田総合公園」に出ます。
このあたりには桜や梅の木がたくさんあって、冬はここでルリビタキをよく見ます。ほかにはコゲラ、ヤマガラ、メジロ、ジョウビタキなどもいますよ!
見立山の由来。ここから広島城の位置が決められたんですね。いまはびっしりとビルが立ち並ぶ広島市街地も、四百年前は「葦の生い茂る寒村だった」なんて、想像できませんね。
13:28 見立山山頂。まるで禅寺の庭のように石が並んでいます。
ここからの眺めも素晴らしい。南には瀬戸内海。
東には二葉山と尾長山。あそこから歩いたんだね~。
見立山~牛田旭口
ここから「牛田旭口」までは時間はかかりませんが、急な下りなので、注意して歩きましょう。
下りきった所から右にルートをとります。左側が崩れている箇所があるので慎重に。
数年前にマンションができて、以前と少し道が変わっています。この階段を降りて、マンションの裏をまわります。
13:41 牛田旭口に到着!
東照宮口から約3時間半、よく歩きました。
標高は低くても、距離はけっこう歩きます。立派なハイキングです!
お天気も良く、楽しい山歩きができました。
まとめ
牛田山一周コースまとめ
- 平日も多くの人が訪れる人気コース
- 低山とはいえ距離はあるので運動不足の人は軽く考えてはダメ
- イノシシやハチには注意
- 各方面の眺望が楽しめる
- 一周する以外にもいろいろなコースを楽しめる
牛田山は体力作りもかねて、毎週のように登られる高齢者の方も少なくありません。
小さなお子さんから年配の方まで、あらゆる年代が楽しめるすてきな山ですね。
ぜひ歩いてみてください!