こんにちは、一度惚れ込むととことん掘り下げたくなる凝り性な昭和男キビタンです。
きょうご紹介するのは、三重県松阪市にある「本居宣長記念館」。
(記念館ホームページ→https://www.norinagakinenkan.com/)
初めて行ったのが5年前。
そのとき「本居宣長ってこんなに凄くて面白い人だったのか!」と衝撃を受け、以来、松阪に来るたびに通っています。
今回で4度目の訪問でしたが、やっぱり時間が足りないくらいのめり込みました。
本居宣長について(記念館ホームページより)
享保15年5月7日(1730.6.21)~享和元年9月29日(1801.11.5)
18世紀最大の日本古典研究家。
伊勢国松坂(三重県松阪市)の人。
木綿商の家に生まれるが、医者となる。
医業の傍ら『源氏物語』などことばや日本古典を講義し、また現存する日本最古の歴史書『古事記』を研究し、35年をかけて『古事記伝』44巻を執筆する。
主著は他に『源氏物語玉の小櫛』、『玉勝間』、『うひ山ふみ』、『秘本玉くしげ』、『菅笠日記』など。
鈴と山桜をこよなく愛し、書斎を「鈴屋」と呼び、また山室山にある奥墓には山桜が植えられている。
松阪城址にある
記念館は、松阪城址にあります。
ですから、城跡もいっしょに観光できるんですよ。
天守閣などの建造物はありませんが、立派な石垣が当時の隆盛ぶりを物語っています。
この坂を上がっていくと記念館。
専用駐車場もあります。
本居宣長記念館
ここが入口。
本居宣長記念館の概要
- 開館時間/9~17時(最終入館16:30)
- 休館日/月曜(月曜が祝日の場合は翌平日)・年末年始
- 料金/大人400円・大学生等300円・小4~高校生200円
- 電話/0598-21-0312
- その他詳細はホームページをご確認ください
1階はクイズコーナーやグッズ売り場などがあり、一番奥にビデオ上映のコーナーがあります。
短い映像を2本上映しており、これがすでにおもしろい。
最初に見ておくと、より興味を持って展示を見ることができますよ。
展示の数々に圧倒される
2階に上がる階段の途中に、馬鹿でかい地図があり、ここで早くも度肝を抜かれます。
びっしりと書き込まれた地名その他もろもろ。
この「大日本天下四海画図」、宣長先生17歳のときの作というから驚愕です。
(実物は、縦122センチ横195センチ)
能登半島の上あたりに注意書きを記しており、
「いま出回っている地図は間違っているから、自分がちゃんとしたのを作る」
みたいなことが書いてあるようです。
この緻密さ、大胆さ、独自性、早くも宣長先生らしさが全開しています。
今回は、「宣長を取り巻く女性たち」(2023年9月5日~12月3日)という展示が行われていました。
いつも様々な切り口から展示が工夫されていて、だからまた来たくなるんですよね。
宣長先生生涯の大作『古事記伝』。
解説にあるように、こんな端正な字で35年かけて全44巻書いたって、信じられます?
並外れた集中力と根気がないと書けませんね。私など便箋一枚の手紙でも乱れるのに(苦笑)
「四十四歳自画自賛像」。
絵まで描けちゃうなんて、多彩ですなぁ。
ちなみに「賛」は絵に添える言葉だそうで、「自画自賛」は自分の絵に自分の言葉を添えたっていうことで、「オレ、上手いだろ」とドヤ顔するのとは違うんですね。今回はじめて知りました。
これは若き宣長先生が京に医学を学んでいたときに、お母さんから届いた手紙。
お母さんもまた、達筆ですなぁ。よほど教養ある女性だったのでしょうね。
なんでも「酒は三杯までにしときなさい」みたいなことも書いてあるそうですよ(笑)
宣長先生は何でもメモするメモ魔。
切れ端もどんどん使っちゃう。
しまいには、これらメモ書きのリストまで作っていたそうで、キリないがな!
これは娘の婚礼に関する記録。
左に「今日料理献立」なんて見えますね。
こうして見ると、宣長先生は常に筆を持って、何かにつけメモしていたんじゃないでしょうか。
現代にいたら、差し詰め音声メモをバンバン使ったんでしょうか?
「筆のほうが使いよい」って言うかもしれませんね
これは本職で使った薬箱。(本職は学者じゃないのがまた凄い!)
重さ5キロの箱を持って、あちこち往診していたそうです。
当時の町の人たちからも、よく知られていたでしょうね。
きわめつけは、自分の墓や葬儀まで事細かに指示を残していたこと。
実際、いまこの絵のとおりのお墓があります。私はまだそこに行けていないので、いつか必ず訪れたいです。
旧宅「鈴屋(すずのや)」も併設
館の近くでは、宣長先生の旧宅を見ることができます。
鈴好きだったことにちなみ、その名も「鈴屋(すずのや)」。
市街地にあった家をこの場所に移設したもので、部分的に上がることもできます。
2階が宣長先生が日夜勉学に励んだ部屋です。
なんとも言えぬ趣きがあります。
まとめ
インターネットもパソコンもなかったあの時代に、これほど長年にわたって勉強に励み、書物を著し、歌を詠み、人々に教えた宣長先生。
その膨大な仕事量は、とても想像がつきません。
自分は与えられた生をきちんと生かしているだろうか?
日々、無為に過ごしているのではないか?
宣長先生の生き様にふれるたびに、心探られる思いです。
今回も、素晴らしい学びと刺激をいただきました。
ありがとう、宣長先生、そして本居宣長記念館さん!
本居宣長記念館ホームページ→https://www.norinagakinenkan.com/
本居宣長記念館の概要
- 開館時間/9~17時(最終入館16:30)
- 休館日/月曜(月曜が祝日の場合は翌平日)・年末年始
- 料金/大人400円・大学生等300円・小4~高校生200円
- 電話/0598-21-0312
- その他詳細はホームページをご確認ください